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映画「無能の人」の冒頭、主人公は自分の「髪の毛」が何とか売れないかどうか、思いをめぐらせる。その後、紆余曲折を経て、多摩川の河原の石を売る店を開くことになる。まだ見ていない人にはオススメの映画だ。原作の漫画はもちろんだが、映画のほうもまた良い。 さてサイバーワールドで「情報商品」だの「オークション」だの「古物商」だのいろいろな儲け話が転がっている中、違法性がなくローリスクなものとして「せどり」について少し調べてみた。 結論から言えば、「労多くして功少なし」である。 試しに調べて見ればわかるが、ブックオフで105円で売っている中古本のほとんどは、アマゾンで1円なのである!!! では逆に聞こう。なぜ1円でも売る人がいるのか? (by 髭男爵) 実は、ある条件を満たした場合、利益が出るのだ。 アマゾンは1円で売れると、161円を入金してくれるのだ。 しかし、話はこれで終わりではない。売れたらすぐに発送しなくてはならない。 いちばん安いクロネコメール便は厚さ1cmまでなら送料80円、封筒代を10円として計算すると、161-(80+10)=71円が手元に残る。 ということは70円以下で仕入れた厚さ1cm以下の本ならば、 1円で売れたとしてもプラスになる計算だ。 そんなにおいしくて良いのか? 残念、そうは問屋がおろさない。必ず売れるという保証がないのである。売れてナンボなのである。 1円で売っている人が自分以外に500人以上いたりしたらほとんど絶望的である。おにぎりを追いかけて谷底に落ちていい。 (by ザ・パンチ) しかも上記の試算には、本を調達したり、保管したり、発送したりするコストが計算されていない。 残るやりかたとしては、すでに読み終わって本棚に埃をかぶっている本の相場をチマチマ調べて、幸運にも高いものがあれば、出品してみる価値はあるだろう。さらに幸運に恵まれればその本は売れる。つまり、2回連続で幸運に恵まれればよい。(笑) ところで、そもそもスゴイ儲かる話を無料で(もしくは有料で)簡単に他人に教えてくれる親切でやさしくて気前の良い太っ腹な人なんてこの世にいるのか? かのゴールドラッシュで本当に儲かったのは、金を掘る人ではなく、それらの人たちに金を掘る道具を売ったりする人だったと伝え聞く。 ※掲載データは執筆当時のものです。 |
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