女 の 食 事 は 大 道 芸 か ? 会社勤めをしていて、何が息抜きになるかといえば、 勤務時間中を除けば、それはランチタイム。昼休みだ。 野郎ばかりが四人で食事をすると、恐らく、最初から 最後まで無言のままだ。先日は、少し会話があった。 「そこの醤油をとってくれ」 女が四人だと大変だ。三人だけでも姦しいのに、プラ ス一名だから。話題にはことかかない。 昨日見たトレンディドラマの感想から始まって、仕事 のグチ、今年入社した新入社員の男の評価、美容院の雑 誌で調べた最新芸能情報、ロードショウ初日に観た映画 のあらすじ、今度行く予定の海外旅行の予告。(予告し ておかないと、あとでバレたときに問題となる。) 家 族の話、ペットの話、元彼、今彼の比較。最近新しい服 を買ったけど、やっぱり気に入らなかったので店に返し てこようかな。返してくれば。とか、六十分の昼休みで はとても足りない。一日二十八時間くらいあっても足り ないくらいだ。毎日同じメンバーでも話題はつきない。 上りと下りの情報量にして音響カプラの頃と、光ファ イバーくらいの差があるだろう。(ほんとか?) しかも、驚くべきことに、食べるべきものは食べてい るのである。食後のデザートまで。 もし、俺がこのボリュームを喋ると、皿の上は、店員 が置いたときのままだ。(何度かある。) いったい、いつ食べているのか? おそらく、話者A が喋っているとき、聴衆CDEは、猛烈な速さで食って いる。かといって聴くのがおろそかになっては、あとで わかってしまう。こりゃもう大変な作業だ。手を使わな いでいい器具に装着されたハーモニカを吹きながら、マ ニュアル車に乗って坂道発進をするようなものだ。 |